ふゆ美誕生アナザーストーリー 〜Paty2.5〜

──「冬至の決断が運命を導く」──

2023年の春。
特に大きな問題があったわけではない。
でも、どこかで違和感を抱えていた。
「この先、どうなるんだろう?」
りなっちとの関係は落ち着いていたし、彼女はすでに1人で生活できるようになっていた。
そして、就籍の手続きも進んでいて、あとは待つだけの状態。
だったら、僕はどうすればいい?
このままずっと、同じ場所で生きていくのか?
それとも——何かが変わるのか?
この時、まだ答えは見えていなかった。
でも、「このままじゃいけない」 という気持ちは、確実に芽生えていた。

第1章:りなっちとの関係、静かな変化

「就籍、もうすぐだね。」
「うん。もう手続きは終わって、あとは待つだけ。」
りなっちの声は、どこか穏やかだった。
彼女が「1人で生きていける」と確信したのは、この頃だったと思う。
「そっか、それなら安心だね。」
そう言いながら、心のどこかで引っかかるものがあった。
「じゃあ、僕は?」
りなっちを支える必要がなくなったら、僕は何をするんだろう?
今まで、彼女のことを考える時間が多かった。
でも、彼女が自立していくことで、僕の役割が終わりつつある。
「この関係には、もう先がないのかもしれない。」
そう思った。
でも、それを口にすることはなかった。

第2章:りなっちの結婚願望と僕の考え

りなっちは、就籍する前、結婚に憧れていた。
「いつか、ちゃんと家庭を築きたい」
そう話していたこともあった。
じゃあ、就籍ができた今も、彼女は僕との結婚を望んでいるんだろうか?
僕はまだ、それを確かめていない。
もし、今後もお互いが愛を求めるなら——
たとえ離れて住んでいても、いずれは結婚するのも「あり」なのかもしれない。
今はまだ、はっきりした答えはない。
でも、「あり得る未来」として、その可能性は残していた。

第3章:福山駅家との最初の出会い(2023年5月)

5月、なんとなく立ち寄った駅家モール。
「なんだろう?初めてくるのに…妙に馴染む気がする」
24時間スーパー、24時間飲食店、24時間コインランドリー、大型家電量販店、カー用品ショップ、ドラックストア、100円ショップ、ちょっと離れたところにホームセンター
「ここだったら不自由なく生活はできる。でも何かが足りないんだ。」
そう感じていた。どことなく鳥取でりなっちと過ごしたあの場所とも何故かリンクする。
でも、なぜか引っかかる。それはりなっちじゃない。
モールの駐車場に立ち、周囲を見渡しながら、心の奥で何かがざわついていた。
「なんだろう?誰かが呼んでる気がする」
でも、答えは出ないまま、その日は過ぎた。

第4章:「やっぱり違う!」と確信(2023年6月)

6月になって、再び駅家モールを訪れた。
「……あれ?」
前回とは違う感覚だった。
「やっぱりここだ。」
最初は「何か足りない」と思っていたのに、今度は「ここに住むべきだ」という確信があった。
理由は分からない。
でも、確実に「ここだ」と感じた。
そのまま、アパートを探して契約した。
迷いはなかった。
「ここに導かれたんだろうな。」

第5章:福山駅家への引っ越し(2023年7月)

7月、僕は福山駅家に引っ越した。
でも住民票はすぐには動かさなかった。
りなっちは、その手伝いのために鳥取から来てくれた。
「なんか、不思議な感じだね。鳥取の安長みたい。」
「うん。そうだね。でも、良さそうな街だと思うよ。」
家具を運びながら、りなっちはそう言った。
僕自身も、まだこの街に馴染めているわけではなかった。
でも、確かに「ここが新しい生活の場所になる」という実感はあった。
引っ越し作業が終わると、りなっちは鳥取へ戻っていった。
「じゃあね、また連絡するね。」
その言葉に、僕は頷いた。

第6章:冬至の日の決断(2023年12月)

12月22日、冬至。
僕は岡山へ向かい、日の出を見た。
寒い朝、光が地平線からゆっくりと昇るのを見つめながら、ぼんやりと考えた。
「これから、どうしよう。」
その頃、僕は大きな痛手を受けていた。
仕事をしても、報酬が振り込まれない。
「もう、フードデリバリーに戻るしかないのかな……。」
そう思いながら、福山へ戻ることにした。
新しい何かを探す余裕はなかった。
でも、この冬至の日、確かに「何か新しい始まりの予感」 があった。
そして、そのまま配達を始めた。
このときは、まだ知らなかった。
この決断が、後にとんでもない未来へとつながることを。

(Part3へと続く——)

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