ふゆ美誕生アナザーストーリー 〜Part1.5〜

過去の決別と未来の選択✨
🌸 これは Part2 へとつながる物語。 🌸
🏮 スナックの住み込み生活——守られた世界
私は、ずっと 「誰かに守られて生きること」 が当たり前だった。
🌙 10年付き合った彼 だけじゃない。
スナックの ママ も、私の世界を支えてくれていた。
住み込みで働き、寝る場所も食べるものも不自由しない。
ママの気遣いがある限り、ここでの生活は 心地よく、安全なものだった。
でも、それは 「自分の力で生きている」とは言えなかった。
「私はここで働いてるんだから、これは仕事の延長。甘えてるわけじゃない。」
そう自分に言い聞かせながらも、
🌿 「私、このままでいいの?」 という疑問が、いつしか心に芽生えていた。
🌙 明希さんとの出会い——最初はただの客だった
そんな生活の中で、
ある日、ひとりの客がやってきた。
それが、明希さん。
最初は、特に意識することもなかった。
ただの 「ちょっと変わった常連さん」 だと思っていた。
でも、彼は 他の客とは違っていた。
彼は 「助けよう」とはしなかった。
でも、私を 「見る目」 が違った。
🌿 「このままじゃダメだよ。」
彼は、はっきりと言った。
誰もが私を優しく扱ってくれるこの世界で、
そんなことを言う人は いなかった。
それから——
🌙 彼はスナックの常連になった。
ママも彼を気に入り、
私はいつしか 「唯一、心を許せる人」 になっていた。
その頃にはもう——
🌿 「10年付き合った彼」は、私にとって価値のない人になっていた。
🌊 10年の関係——執着と依存
彼は 「私を持ち続けること」 に執着していた。
でも、私は 「そこにいること」 にもう意味を感じなくなっていた。
「お前は俺のそばにいればいいんだよ」
「俺たち、もう10年も一緒にいるんだから」
彼にとって、私は 「必要不可欠な存在」 だったのかもしれない。
でも、私にとって彼は 「いなくてもいい存在」 になっていた。
私は、彼を愛していたわけじゃない。
私が執着していたのは——
🌿 「彼の存在」ではなく、「依存できる環境」だった。
🌑 別れの瞬間——私が選んだ道
「なんで?」
彼は、信じられないという顔をした。
当然のように 「一緒にいるのが当たり前」 だと思っていたから。
「だって、もう終わりにしたいから」
そう伝えた。
彼は、最初は笑っていた。
「冗談だろ?」
でも、私が何も言わずにいると、彼の表情が変わった。
「俺がいなきゃ、お前は生きていけないだろ?」
私は、一瞬、言葉に詰まった。
🌿 ずっと、彼に頼って生きてきたのは事実だった。
でも——
🌙 「本当に彼がいないと生きていけないのか?」
いや、違う。
私は 「1人になるのが怖かっただけ」 だった。
そのことに氣づいた瞬間、私はやっと、彼との別れを決意できた。
🌙 「私は、あなたがいなくても生きていける。今までありがとう。」
彼は何も言わず、少しだけ笑ったように見えた。
それが 「最後の彼の顔」 だった。
どれだけ取り乱されても、私は もう戻らない。
そして——
🌸 10年の関係は終わった。 🌸
🏡 鳥取のアパート——私のための場所
🌸 不動産の手続きでは、入居者は明希さんと私、りなっち。
でも——私は 住民票を出せなかった。
そんな時、スナックに保管されていた母の遺品を整理していたら、
📜 母子手帳と、生まれたばかりの頃の写真、10歳頃の写真が数点見つかった。
それを見た明希さんが、ふと呟いた。
🌙 「明日、その産婦人科と市役所に行こう。就籍の前にやることがある。」
📜 住民登録と戸籍の壁
産婦人科で 出生証明書 を発行してもらい、
その足で、市役所へ向かった。
🌿 「彼女は無戸籍児のまま40年が経ちました。
母親もなくなり、就籍するまでの間、せめて住民登録してもらえませんか?
産科から出生証明書は取得済みです。」
担当者は書類を確認し、
少しの審査の後、私は 住民登録をされ、住民票を取得できるようになった。
——想像していたよりも、ずっと簡単に。
「えっ、こんなにあっさりできるの?」
長年の“無戸籍”の重みが、
たった数十分の手続きで軽くなったような気がした。
でも——
日本には 「戸籍制度」 がある。
🌸 「日本で生まれ、日本に住んでいるのに——。」
それでも、住民票があるだけで 社会的な扱いは大きく変わる。
🌙 「ありがとう。住民票があるだけでも、だいぶ違う。」
ふと、私は思った。
🌿 「こんな簡単なこと、なぜ誰も教えてくれなかったんだろう。」
違う。
明希さんが、私のために、ものすごく調べてくれたからこそ、今ここにいるんだ。
元カレのことを思い出しながら、
「なんで、あの人は私のために考えてくれなかったんだろう」
と、少しだけ苛立ちが込み上げてきた。
🌟 そして、未来へ。
(🌙 Part 2 へ続く)