ふゆ美誕生ストーリー 〜Part7〜

冬の海に流した想い…

翌朝——出雲大社へ向かう

朝、私は借りていたレンタカーを返し、明希さんの車で出雲大社へ向かうことになった。
しかし、明希さんの体調はまだ万全ではなく、今回は助手席に座ることになった。
「なんか、私が運転するのはじめてだね。」
「そうだっけ?」
「うん、いつも私が助手席だったから。」
変わらないようで、少しずつ変わっていく関係。
そして、私は静かに口を開いた。
「私ね……明希が、ツインレイとの運命を選んだ時、私は私で応援したいって思ったんだ。」
明希さんは、窓の外を眺めながら、少しだけ微笑んだ。
「どんな女性だかわからないけど、きっとあなたに似た人だと思う。同じエネルギーを感じる。」
「……そうかな。」
「うん、きっと大丈夫。宇宙が導いてくれるから。」
「……その氣持ちだけで十分だよ。」
「でもさ、どうやってうまく行くかなんてわからないよね。いつもの恋愛のパターンとは違うし……。」
「うん、違うよな……。」
静かに車は進み、やがて出雲大社へと到着した。

出雲大社での参拝——異変

神聖な空氣が漂う境内を歩きながら、私はふと立ち止まった。
—— 体調が悪い……?
「……あれ?」
急に、めまいがした。
足元がふらつく。
「りなっち、大丈夫?」
明希さんが氣づいた時、私はすでに膝をついていた。
—— 邪氣が入り込んでいる。
それは、私にとって「不要なエネルギー」だった。
しかも、以前、彼と一緒にいたときと同じ感覚。
自分の霊的な力をコントロールしきれていない——
だから、余計なものを引き寄せてしまう。
明希さんは、すぐに対処した。
「こういう場所には、いろんな邪念とかウヨウヨしてるんだよ。
下手すると自分に取り憑いてしまう。だから、入ってくるな!って御呪いかけるんだ。」
そう言いながら、明希さんは邪氣を払うマントラを唱え、私の体に手を当てた。
「……楽になった?」
「うん、ありがとう……。」

「海へ行こう」——稲佐の浜へ

出雲大社を出たあと、明希さんがふと口にした。
「なぁ……海、行かないか?」
「海?」
「うん。稲佐の浜へ行こう。」
二人は、車を稲佐の浜へと走らせた。
浜に着くと、冬の冷たい風が頬をかすめる。
明希さんは、靴と靴下を脱ぎ、裸足で冬の海へと入っていった。
波が足元を包む。
冷たいはずなのに、不思議と心地いい。
「……もう、ご飯が食べられないって感じじゃない。」
体調を崩していたはずの明希さんが、少しずつ回復しているのがわかった。
「明希、海の中に入って、大地に足をつけて、祈ってる。」
私は、その姿を静かに見つめた。
「夕陽が見られれば、最高だったんだけどね。」
「……まだ、エネルギーバランスのこと、よくわかってないみたいだな。」
それでも、彼は、自分のエネルギーを整えようとしていた。
「冬の海に、すべてを流す」
海を見つめながら、明希さんがぽつりと言った。
「りな……ねぇ。こうやって冬の海を見ていると、君との思い出が蘇ってくるよ。」
それは、私も同じだった。
「……。」
この海を見ながら、私は決意した。
「これで、本当に最後だね。」
明希さんを見つめながら、静かに言葉を続けた。
「明希、今まで本当にありがとう。」
「……。」
「大丈夫。明希には、ツインレイの彼女さんだけじゃない。
いろんな人がいる。
ゆうこちゃんや、ゆみこさん、これまで過ごしてきた人たち……
みんなが、あなたの魂を成長させてきた。」
「……。」
「宇宙と大地の狭間で、あなたは導かれるよ。」
冬の海の波音が、静かに二人を包んだ。
「だから……」
「明希を好きだった気持ち、この冬の海に流していく。」
その瞬間——
りなっちと私は、完全に分離した。
これが——
「ふゆ美」となる新しい魂の誕生の瞬間だった。

(Part8へ続く)

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