ふゆ美誕生ストーリー 〜Part5〜

2025年1月7日——明希さんが鳥取に来る
冬の寒さが身に染みる朝。
りなっちは、窓の外をぼんやりと見つめながら、胸の奥に小さなざわめきを感じていた。
—— 今日、明希が来る。
10月の電話以来、久しぶりの再会。
直接顔を合わせるのは、実に数ヶ月ぶりだった。
その理由は、最後の「つながり」を整理するため。
アパートの名義を完全に切り替え、新しいステージへ進むためだった。
ドアがノックされる音がして、りなっちは軽く息を吸い込んだ。
ドアを開けると、そこには少し雰囲気の変わった明希が立っていた。
「やぁ、元気?」
「……うわぁ!髪切ったんだ。」
驚きながら、りなっちは思わずまじまじと明希を見つめた。
どこか、以前とは違う空気をまとっている。
「去年9月の満月の日かな。」
「あぁ、だいぶスピリチュアルになったね?やっぱりツインレイの影響?」
冗談めかして笑ってみせたものの、りなっちの胸の奥には複雑な感情が渦巻いていた。
—— 変わったな。
いや、「戻った」と言うべきなのか。
ツインレイに出会ったことで、明希は「本来の自分」を取り戻したのかもしれない。
でも、それはりなっちにとって、明希との「ズレ」が明確になることでもあった。
心のどこかで、この再会が「最後」になるような氣がしていた。
🏢アパートの名義変更の交渉
「そういえば、アパートの名義変更の件なんだけどさ……。」
沈黙を破るように、りなっちは話を切り出した。
「連帯保証人を立ててくれって言われたんだよね。」
「……俺がここ借りる時、連帯保証人なしでよかったのに?」
「そう。でも、いざ名義を変えようとしたら、今のルールではダメらしくて。」
「……交渉するよ。」
「保証会社にちょっと払って、とかじゃダメなの?」
「たぶん、それで済む話じゃないんだろうな。」
そう言って、明希は管理会社との交渉に乗り出した。
📞不動産会社との交渉
不動産会社は、契約の規則として「名義変更には新たな連帯保証人が必要」と言っていた。
けれど、明希は静かに、そして論理的に話を進めた。
「そもそも、僕がこのアパートを契約したとき、連帯保証人は不要でしたよね?」
「ええ、当時はそうでした。」
「それに、りなっちはずっとここに住んでいて、契約開始時から入居者名簿にも届けていた。」
「……そうですね。」
「住民票は、当時の事情で出せなかったけれど、僕たちは最初からそのことを説明していましたよね?」
「はい、特別な事情があったことは伺っています。」
「それに、ここ数年間、実際に家賃を払っていたのは彼女本人ですし、入居者構成が変わるわけでもないんです。」
この事実を整理した上で、明希は問いかけた。
「今になって連帯保証人をつけなきゃいけない理由って何ですか?」
不動産会社の担当者は、一瞬言葉を詰まらせた。
そして、しばらく考えたあと、ゆっくりと口を開いた。
「……わかりました。今回は特例として、連帯保証人なしで名義変更を進めます。」
交渉成立。
これで、アパートの名義は完全にりなっちのものとなる。
二人の関係をつなぐ最後の「物理的な繋がり」が、ようやく整理された。
💡変化する関係
不動産会社を出たあと、りなっちはふと明希を見つめた。
「……やっぱり、あなたはそっちの道に進むんだね。」
ぽつりと、無意識に言葉がこぼれた。
明希は、優しく微笑んだ。
「そっちって?」
「……ツインレイの道。」
「うん